Web二人誌【蔦-TSUTA-】
【やさしい曇り空】のあおはと【自作詩展示室】の里枝による詩作のWeb二人誌
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再会-里枝




秋の終わりに
紅葉する葉の陰から
ぽとりと種が落ちたのであった

冬の間 彼はじっと寒さを耐え忍び
時が来るのを待っていた

親が 夏に美しい緑をそよがせていたのを
子供は生まれながらにして知っていたから
そんな親樹の姿に憧れていた

小さな一粒の種にとって
冬とは永遠に終わらない季節であるかと
錯覚しそうなほどの時間
生命が途絶えたかのような凍てつき
その地面の中で種は密やかに生き続けた

自然は或る日寄越す
乱暴で暖かい風を
日差しが長くなってきて 土を 種を暖める

今だ
種は大きく深呼吸して 芽吹く
小さな小さな双葉を 日光に晒して

見よ この緑を
俺は生きていた 今生きている
冬に打ち克ち すっくと立った
誰の支えでもない 己の力で
緑の葉を天へ向けて伸ばしていく

山を訪れた人間は
今年もまた むせ返る生命に溢れた
緑と出会う
去年に勝るとも劣らない
新しい緑と
再会を果たす



上記、再会080126、3校
---------------------
以下、既掲載していた校正前

【再会】2校

秋の終わりに
紅葉する葉の陰から
ぽとりと種が落ちたのであった

冬の間 彼はじっと寒さを耐え忍び
時が来るのを待っていた

親が 夏に美しい緑をそよがせていたのを
子供は生まれながらにして知っていたから
そんな親樹の姿に憧れていた

小さな一粒の種にとって
冬とは永遠に終わらない季節であるかと
錯覚しそうなほどの時間であった
生命が途絶えたかのような冬
その地面の中で種は密やかに生き続けた

その行いに報いるかのように
自然は或る日春を寄越した
乱暴に暖かい風がそよぎ
日差しが長くなってきて 種を暖めた

今だ
種は大きく深呼吸して 芽吹く
小さな小さな双葉を 日光に晒して

見よ この緑を
俺は生きていた 今生きている
冬に打ち克ち すっくと立った
誰の支えでもない 己の力で
緑の葉を天へ向けて伸ばしていく

山を訪れた人間は
今年もまた むせ返る生命に溢れた
緑と出会う
去年に勝るとも劣らない
新しい緑と
再会を果たす




--------------------------

2007/06/29初校、2校
11/02 【 お題小町:10題 】 CM.0 . TB.0 . TOP↑
  
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