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□ 連詩<甘葛(アマヅラ)> □

連詩<甘葛(7)>-里枝






誰かが早口で言った
「だからそれは絶対嘘だって!嘘に決まってるじゃん」
電車の中はひどく混み合っている
抑えているようでも若い女特有の甲高い声は
頭上から降ってくるように耳に刺さった
うっかり相手の声を探す
好奇心というのは実に厄介だ

が 聞き取れず
その後の女の声も私の両耳は判別できずに
ほどなく着いた次の駅で私は降りた
人波に紛れながら真紅の革手袋を嵌める
もう吹き過ぎる風は優しくないから

<嘘>

彼女は信ずるべき何を以って何を虚偽だと言ったのだろう
若い女 そして<嘘>と言えば
恋愛沙汰か だがそうとは言い切れないだろう
友の裏切り でまかせの噂 あとは何があるだろう

<嘘>

そうはっきりと言い切れるのは
きっと自分を強く信じているのだ
歳の数が増えていくに連れて
私も 周りも <嘘>という言葉を使わなくなる
否 使えなくなる
何が本当で 何が真実で 何が嘘で 何が虚偽で
掴んでいるものの真偽が正しいのかどうかすら
主観的な感覚で断定できなくなってくる

世界がいかに曖昧で
自分がいかに頼りにならないか
分かってくることは 幸せなのだろうか

見上げると天上は褪せた蒼
あとひと月かふた月で
雪が降る





----------------

これが「詩」と成り得るか否かも
自分では分かりません・・・

2008/11/18作成。


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Date:2008/11/18
Trackback:0
Comment:0
Thema:詩・想
Janre:小説・文学

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